和がきのおいしい話

水揚げから出荷までの流れ

牡蠣水揚げを目で疑似体験

漁師の一日は夜明けと共に始まります。

今回は宮城県の一般的な牡蠣の水揚げについてご紹介します。場所は和がきの工場があるすぐ目の前の漁場、東松島市東名浜での水揚げです。

朝焼けを見ながら、準備を整えて出港です。

松島湾を抜け、栄養豊かな石巻湾に向かいます。漁場までは約30分。
東松島産「鳴瀬牡蠣」は、鳴瀬川、北上川、この二つの一級河川が流れ込む栄養豊かな海域で、最終肥育にも最適な環境です。

漁場に到着。浮き樽の下にはたくさんの牡蠣が吊るされています。東松島産の牡蠣は他の宮城県産と違い栄養豊かな海で育つため養殖期間が短く1年で出荷できるようになります。

牡蠣はホタテの殻に卵が付着し、その牡蠣の卵が付いたホタテの殻をロープに挟めて養殖します。
1枚のホタテの殻に数十個の牡蠣がかたまりになって成長。ホタテの殻1枚当たりの卵の付着数が多ければ多いほど、一つ一つの牡蠣に栄養が行き渡らなくなりよい牡蠣に育ちません。
適度に卵が付着したものを栄養豊かな海に吊るして養殖することが、よい牡蠣を作るポイントです。

専用の機械で牡蠣がついたロープを引き上げます。東松島では上半分と下半分に分けて水揚げします。栄養豊かな海水面付近と海底近くでは成長速度に大きく差が生まれるため、上半分を取り終えてから2か月程時間をおいて下半分の水揚げを行います。こうしたひと手間が、安定した品質に繋がります。

水揚げは通常、二人一組で行い、一人が牡蠣の付いたロープを巻き取る作業、そしてもう一人が機械で砕かれた牡蠣を籠に詰める作業を行います。過疎化の進む牡鹿半島などでは、この作業を一人で行う高齢の漁師もいます。

2時間弱で2トン近くの殻付牡蠣を水揚げ。海藻などの不要な付着物がある状態での2トンなので、付着物、不要物を取り除き、商品として出荷できる殻付牡蠣になると、分量は約半分になります。

宮城県の牡蠣養殖海域は水質が良く、汚染されていない為「清浄海域」と呼ばれています。ここで養殖された牡蠣は22時間の滅菌海水による腸管内殺菌(浄化)後、衛生検査に合格すれば全て「生食用」として出荷されます。

水揚げされた牡蠣はすぐに滅菌海水入りのタンクに浸し、22時間の浄化へ。その後、殻付きで出荷されたり、むき身にして出荷されたりします。宮城県では全体の8割以上が「むき身」として出荷されます。

和がきの牡蠣が水揚げされ出荷されるまでを動画にまとめました。こちらのURLをクリックしてご覧ください。